銀行口座の開設手続きが面倒になってきています。
法人で口座開設をする事はあまり無いことかも知れませんが、
得意先が金融機関の関連会社などの場合は
取引には指定された金融機関の口座を開設する事が
必要になる場合もあります。
私も仕事上、金融機関の口座開設を
何度かやったことがあります。
提出する書類は金融機関によって異なりますが、
法人の口座開設で、これだけは用意しておきたいものは、
1.委任状
会社の代表者(多くの場合、社長)が直接窓口に行けない場合、
法人の口座開設手続きを委任されたという証明が必要になります。
こちらのページで詳しい説明と委任状の無料ダウンロードが出来ます。
2.届出印
今後の金融機関の手続きにに必要な印鑑です。
印鑑登録されている代表者印である必要はありません。
遠隔地に代表者印を一時的でも送るのは大きなリスクです。
本社から離れた場所で口座開設が必要な場合は
営業所長の印などを用意して置くと良いでしょう。
3.登記簿謄本
会社の所在確認や、事業の内容などの確認書類として必要になります。
登記簿謄本といっても、二種類あります。
登記簿は法務局に行って発行してもらうのですが、
「現在事項全部証明書」「履歴事項全部証明書」があります。
迷った場合は「履歴事項全部証明書」にしましょう。
2つの違いは、
現在事項全部証明書
発行日現在の登記の内容が表示されています。
履歴事項全部証明書
発行日から3年前までの間の履歴が表示されています。
こちらの方が、「現在事項全部証明書」より詳しく載っています。
例えば、社長が変わった場合などは前社長の名前も出てきます。
変更された内容は ○○ ○○ ←のようにアンダーラインが
引かれています。
4.議決権保有比率が25%超の人の有無と、
該当する人の氏名・住所・生年月日等
ちょっと難しいですが、法人の株主で
議決権のある株式を保有している比率が、
四分の一以上ある人がいる場合、
株主総会の議案の成立を阻止することができるため、
その人は、実質的な会社の経営者、支配者という見方がされます。
多くの場合、現在の代表者や、役員だと思います。
株式を持っていても議決権が無い株主という特殊な場合もあります。
よく分からない場合は、社内で確認してから手続きに行きましょう。
5.窓口で手続きを行う人の本人確認書類
窓口で実際に口座開設手続きを行う人が誰なのか?
委任状に記載された本人が来ているかどうか?
といった本人確認書類が必要です。
多くの場合、経理担当者や、
営業所担当者になると思います。
運転免許証やパスポートなどの
写真付きの本人確認書類を用意しましょう。
他にも、代表者の身分証明書のコピーを求められる事もあります。
漏れの無いよう、よく確認しましょう。
※その他
金融機関によって印鑑証明書や
金融機関ごとに必要な書類があります。
事前に、窓口で口座開設に必要な書類を取り寄せておきましょう。
あと、開設する事業所が賃貸物件の場合など、
登記簿で事業所の住所が確認できない場合は
公共料金の領収書や、賃貸契約書などが必要です。
「金融機関の口座開設はすぐにできない」
という事を念頭に置いて準備をしてから手続きをしましょう。
なぜ上記のような書類が必要なのか?
それは、
本人確認、
マネーロンダリング、
反社会的勢力との関係などの問題のための
対策であり、こういった不正が後を絶たないということの現れでもあります。
事務担当者としては早く、
手続きが簡素化されるといいのですが・・・