年末調整の保険料控除申告書を書いたとき、
右下の控除欄に何も書けず
「世の中にはもっと控除が出来る人がいるのか。いいな~」
「自分も節税をして来年は還付を増やそう!」
と思いながらも、
年末調整の書類を提出してしまうと
あっという間に年末の慌ただしさと
一緒に忘れてしまい、
また次の年末調整になってしまう・・・
そういった方は多いのではないでしょうか?
右下の控除項目は以下のようになっています。
(平成29年の保険料控除申告書より)
今回はこの右下欄の
個人型および企業型年金加入者掛金
のうち、個人型確定拠出年金について説明したいと思います。
個人型の確定拠出型年金は
iDeCo(イデコ)と呼ばれています。
(以下、名称が長いので「イデコ」と呼びます)
イデコは月々の掛け金が5000円から
イデコの掛け金は全額所得控除できる
といった2つのメリットがあります。
掛け金が所得控除できるといっても
年間所得が400万円のサラリーマンの場合、
月々1万円で一年間運用した場合の税額のメリットは
12万円 × 20.42% = 24,504円です。
(所得税+復興所得税2.1%含む)
その他にも住民税の控除(10%)もあるので
12万円 × 10% = 12,000円となり
合わせて 36,504円の税額メリットとなります。
銀行に預金するよりメリットはありそうです。
あと、運用益も非課税なのは良いですね。
さて、私の気になる点は・・・
イデコは年金商品のため、60歳まで引き出しができない
イデコの月々の掛け金には振込手数料が数百円かかる
とった点です。
子供の進学や、家族の介護、
ダブルインカムで夫婦共働きで
どちらかが働けなくなった・・・
そんな資金が必要な場合、
イデコは60歳まで引き出しができないのは
心配なところです。
金融機関の営業トークでは
「途中で引き出しができないので
つい使ってしまうことを防止できる良い商品」
などと言ってきますが、
この辺はご自身で慎重に判断した方がよさそうです。
掛け金の変更は途中でも可能なので
資金的に余裕がある場合はお勧めします。
あと、イデコを取り扱う金融機関によって異なりますが
振込手数料が毎月かかるということです。
手数料は100円台~600円程度まであるようです。
これは毎月かかる費用なので
先ほどの例で、36,504円の税額メリットから
手数料が月々500円だった場合、
36,504 - 6,000円 = 30,504円程度となり
手数料分の持ち出しがある点に
注意が必要です。
税金のメリットは十分にありそうなので
来年の年末調整に向けて初めて見るのも良いかもしれません。