会社で突然、上司から
「これからは全ての取引について相殺をする」と言われた時
あなたならどうしますか?
そんな時の判断材料として、
知っておきたい相殺取引について説明します。
相殺ってどんな取引のこと?
相殺(「そうさい」と読みます)とは・・・
自分の債権と相手の債務、
または自分の債務と相手の債権をについて、
お互いに差し引いて帳簿から消すことです。
実際の取引で説明すると、
お客様でもあり、仕入れ先でもあるA社に
100万円の売掛金と、
80万円の買掛金がある場合、
80万円については、相殺して帳簿から支払いがあったことにして
A社には差額の20万円を支払う。
といった感じになります。
相殺をしたい場合はどうすればいいの?
相殺は相手が同意しないとできません。
会社によっては毎月相殺してくるところもあったり、
相殺できる場合でも、お互いに全額を支払いする。
といった会社もあります。
相殺を行いたい場合は
相手に対して、
「〇月○日の○○円の支払のうち、○○円を相殺したい」
と、伝えましょう。
相手が同意があれば相殺ができます。
相殺のメリットデメリットは?
ここまで読んだ方なら感じる事だと思いますが、
お互いに払いをし合うよりも
相殺した方が、片方が本来の支払額よりも少なく支払うだけで済むので
みんな相殺すれば良いのでは?
と、思いませんか?
しかし相殺にはメリットとデメリットがあるため、
会社の方針によって、相殺の使い分けがされるんです。
特にデメリットは導入前によく読んで欲しいところです。
相殺のメリット
総裁のメリットと言えば
- 支払額が減る
- 支払が減ることで領収書の印紙代が削減できる
- 片方の支払いで済む
- 支払のタイミングによっては資金繰りが楽になる
上記のようなメリットがあります。
実際の支払額が減るのは良いことですが、
自社の仕入れ代金の支払い日が毎月15日で、
客先の売上代金の支払日が月末の場合、
15日の支払いが無くなったり、減ったりするので
15日から月末までの資金が一時的に増えることになります。
相殺のデメリット
相殺のデメリットは以下の通りです。
- お互いに相殺の領収書を発行する手間がかかる
- 債権債務のある取引先を毎月確認する手間が増える
- 支払のタイミングによっては損をする
実際に相殺取引を始めてみると気づくことが多いので
相殺を行う前には良く読んで欲しいポイントです。
相殺はお互いに領収書を発行し合うため
お互いの事務負担が増えることになります。
あと、毎月継続して相殺を行う場合、
相殺先が多いと、債権と債務のリストを毎月確認して
両方のリストに名前のある会社を探す仕事が増えます。
これって結構大変なんですよね。
会社が大きくなると、買掛担当と売掛担当が別部署だったりして
その連携をとっていく必要が出てくるんです。
支払については、
客先の売上代金の支払い日が毎月15日で、
自社の支払日が月末の場合、
客先からの入金が減ってしまうため
一時的な資金繰りが悪くなります。